結びの言葉に「さよなら」は書けない

いいブログの説明が思いつかない

いいから全員黙って司書教諭を取れ

この記事は教職カレンダー Advent Calendar 2019 5日目の記事です。

adventar.org

 

klis16のぜろななです。おかげさまで教職の単位を(4年次に取る科目を除き)すべて取得し、無事教育実習も終了して教員免許が取れそうですヤッタネ。ちなみに私の卒業次修得単位数は163単位の予定です(はぁと)

 

本当は7日に書く予定だったのですが、明らかに7日に書いている余裕がないので今日書きます。そんな暇があるなら卒論を書け。

 

司書教諭という資格をご存じですか?

いやまさか教職を取っているみなさんであればご存じですよね?????????

 

まあ教職を取っていない方もいらっしゃるかもしれないので一応説明しておくと、、学校図書館法において「学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない」と定められています。要するにどういうこっちゃいというと、めちゃめちゃ簡単に言えば図書館や教育に関する専門性を活かしてえいやそいやして学校図書館をいい感じにする人です(ほんまか?)

 

そして、同じく学校図書館法において「司書教諭は、教諭をもつて充てる」と定められている通り、司書教諭は教諭であり教員免許状を持つ教員のみが取得できる資格となっています。逆に言えば教員免許状を取っている人であれば司書教諭に関する科目をちょっと取れば簡単に取得できる科目です。ちなみに一部の私立の学校では専任の司書教諭が置かれていますが、多くの学校は普通の教科担当の教員が兼任しています。

 

さらにちょっとややこしいことを言うと学校図書館で働く司書と呼ばれる人には前述した司書教諭と呼ばれる人々と、学校司書と呼ばれる人々がいます。もうそろそろ学校図書館法においてうんぬん言うのが面倒になってきたのでざっくり説明すると、学校司書と呼ばれる人々は学校図書館の職務に従事する職員であり、わかりやすく言うとあくまで教員ではない司書さんですね。

 

要するに基本的に各学校の学校図書館には、先生の司書さんと職員の司書さんがいることになっているのですが、先生の司書さん=司書教諭の取得を取るメリットについてこの記事では書いていきたいと思います。

 

図書館を使いこなすことで教材研究の幅が広がる

まあ想像しやすいところからいくと、みなさん先生になったら授業を行いますよね。授業を行うためには教材研究という名の勉強をしなければなりません。そして、勉強するためには勉強するための教材が必要ですね。

 

そんなとき、あなたが将来務める学校には学校図書館という図書館があります。日本は法律で学校には学校図書館を置かなければならないと定められているので必ずあります。みなさんご存じの通り、図書館には様々な本があり、きっとあなたの授業作りに役立つ材料が詰まった本もたくさんあるはずです。教員は忙しいのでそんなに頻繁に公共図書館に行くのも大変だと思いますし、学校内にある図書館を利用しない手はないと思います。

 

しかし、今まであんまり図書館使ったことないな…?という方もいるのではないでしょうか。あまり図書館を使ってこなかった図書館の使い方に不安があるかもしれません。あるいは今まで図書館を多少使ってきたあなたでも、図書館の使い方ついてわざわざしっかり勉強したことはないのではないでしょうか。まだまだあなたが知らない図書館の使い方があるのではないでしょうか。

 

本の学校には学校図書館が必ず設置されているはずなのにもかかわらず、残念ながら教員免許状を取るための教職課程の必須科目では学校図書館の使い方を教えてくれません。そんなとき!司書教諭に関する科目を取れば学校図書館について学ぶことができ、当然学校図書館を上手く活用する方法を知ることができます!司書教諭に関する科目は教職課程のいわゆる選択科目に加算できるので、あなたの教材研究の効率をアップする方法を学びながら教職科目の単位を埋められるのはとってもお得ですね。

 

授業を行う場所として学校図書館という選択肢が持ちやすくなる

学校図書館について学んできた身としてはあらゆる教員に学校図書館で授業を行ってほしいのですが、まあ学校図書館について全く知らないのに学校図書館で急に授業をしようとするのって結構怖いですよね、多分。でも授業を行う選択肢は多い方がよくないですか。

 

実際学校図書館で授業を行うことにはいろいろメリットがあると思っています。わかりやすそうなものだと、教室とは一味違う学校図書館という場所で授業を行うことによって生徒が楽しく授業を受けてくれたり、わざわざ教室まで持っていかなくても図書館にある資料を授業でたくさん見せることができたり、図書館の広い机を使ってグループワークをしたり大きい資料を広げて見せたり、普段は一人で孤独に授業を行わなければならないのに対し学校図書館であれば専任の司書教諭や学校司書と共同して授業を行えたりetc

 

まあ挙げればキリがないのですが学校図書館で授業を行うときっとたくさんいいことがあると思います。ここまで書けば学校図書館で授業を行いたくなりましたよね?学校図書館のこと学びたくなりましたよね?司書教諭に関する科目を取りましょう。

 

ちなみに授業についてはこのサイトに学校図書館を活用した授業案のデータベースがあります。ぜひ見てみてください。

www.u-gakugei.ac.jp

 

今をトキメク「探求」で必ず学校図書館は役立つ

教職を取っているみなさんであれば「探求的な学習」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。最近の教育界において探求的な学習とか総合的な学習とかとっても流行ってますね。

 

文科省の「今、求められる力を高める総合的な学習の時間の展開(高等学校編)」によると、探求的な学習は以下のように定義されています。

 

探究的な学習とは、図のような問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく一連の学習活動である。

①【課題の設定】 体験活動などを通して、課題を設定し課題意識をもつ

②【情報の収集】 必要な情報を取り出したり収集したりする

③【整理・分析】 収集した情報を、整理したり分析したりして思考する

④【まとめ・表現】気付きや発見、自分の考えなどをまとめ、判断し、表現する

 

ちょっとごちゃごちゃ書くと私も自信がない(ごめんなさい勉強します)んですが、本当に簡単に言ってしまうと調べ学習のつよいやつです。最近は探求的な学習の一環で卒業研究や卒業論文に取り組み高校なども増えているみたいです。

 

ところで卒業論文を書いたり、卒業論文までいかなくとも大学のレポートを書いたりするのって難しくないですか?卒業論文やレポートを書くためには、課題を発見する力、文献を探す力、文献を読む力、文献から必要な情報を取り出す力、調査結果を整理したり分析したりする力、引用文献を正しく整理して記述する力、分析結果をもとに考察する力、最終的に出てきた結論を他者に伝える力などなど、とっても大変ですね。さらにそれを指導するとなるとかなりの能力が必要になってくると思います。

 

でもこれらの能力ってすごく図書館に深く関係する能力だと思いませんか?図書館に行けばいろんな情報があって自分が興味があるものを探したり課題を見つけたりするのに最適じゃないですか?図書館やデータベースを活用して文献を探す能力とか本当に本当に必要じゃないですか?ちょっと全部書くの面倒になったしこんなものを書かずに私が卒論を書かないとヤバいのでこのへんにしておこうと思いますが、これらの能力って将来教員になるあなたが教える児童生徒にとって将来とても重要になってきそうな能力だと思いませんか?

 

ついでに言うとこの能力って文系も理系も関係ないですね。少なくとも大学生ならみんなレポートなり卒論なり書かなきゃならないもんね。理系だから読書とか別に…図書館も別に…と思っていたあなたもこれには逃れられませんね。司書教諭科目をry

 

学校図書館に関わる人間の本音

まあここまでつらつら書いてきたし、ここに書いたこと以外にも学校図書館の推しポイントはたくさんあるんですが、私が一番欲していることは「先生になる人に学校図書館に興味を持ってほしい」ということです。

 

学校図書館に常駐している司書は学校図書館に来ない生徒を無理やり学校図書館に引っ張ってくることはできません。学校図書館に来ない生徒には会うことができないし、会うことができないまま、図書館の素敵ポイントを享受してあげることができないまま学校図書館に来ない生徒は卒業していってしまうのではないでしょうか。

 

でも先生であれば日常的にいろいろな生徒と顔を合わせることになります。そして生徒はすごく先生のことをよく見ていると思います。先生が学校図書館に興味を持って学校図書館に行ったり、学校図書館で授業したり、学校図書館の本の話をしたりしているうちに生徒も学校図書館に興味を持ってくれるんじゃないかなと私は思っている次第です。そうして少しでも多くの生徒が学校図書館の素敵ポイントを享受して卒業することになると、学校図書館について学んできた身としてはとっても嬉しいです。

 

ついでに言うと同じ学校の中の先生に働きかけるという点についても、先生であるということはすごくアドバンテージなんじゃないかなと思います。職員会議や職員室で顔を合わせるし、同じ先生立場の人がやることってすごく影響力があることなんじゃないかな。〇〇先生はあんなふうに図書館使ってるんだ。私もやってみようかな。みたいな。

 

実際私も今年教育実習に行き、学校図書館ヘビーユーザーだったんですが、ほぼ毎日のように学校図書館に通っていたらほかの実習生が一緒に学校図書館を使ってくれるようになったり、実際に「こんな本もあったんだ!もっと早く使えばよかった!」みたいなことを言われたり、効果を実感した次第です。その学校に学校図書館の利用に関して核となる教科指導を行う先生がいることが、その学校全体に学校図書館の利用を普及させることにすごく重要になってくると思います。

 

私は実をいうと少し前まではわけもわからず司書教諭を取る人間が大嫌いでした。こっちは真剣に学校図書館で働きたいと思って司書教諭科目を取ってるのに教職科目に充てられるからとか採用試験で加点されるからとか適当な理由でとっている学生や、そういう理由のせいなのか授業中に私語する学生がいて、大学三年生の頃はとってもとってもイライラしてました。

 

でも大学四年生になって、大学三年生の頃より実際に学校図書館に関わる機会が増えたり教育実習に行ったりしながら、そういうことを考えたり体験したりすることを通して、少しでも学校図書館に興味を持ってくれる先生が増える、学校図書館を活用してくれる先生が増えるということを考えればみんな司書教諭を取ってほしいなと思ったのでこういう記事を書かせていただきました。もはや司書教諭にならなくてもいい、履修の都合がどうしてもつかなければ全部取らなくてもいいからぜひ司書教諭科目を取ってみてください。教職の単位になるし、司書教諭資格があれば自治体によっては教員採用試験加点されるし。

 

この記事を読んで少しでも学校図書館に興味を持ってくれる先生が増えれば、司書教諭科目を取ってくれる学生が増えれば幸いです。授業中の私語はしないでほしいけど。

 

ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

司書教諭科目は以下の通りです!中学では8単位、高校では16単位必要な教科または教職に関する科目に入ります!ぜひ!!!!!!

 

なお情報はすべて2019年12月5日現在の筑波大学に関するものです。